羽鳥さん

ボトムアップ計画に対して色々批評があるかと思いますが、僕が体験した中で最も成功し たパターンは逃げ地図です。3/11 というコンテキストはありますが、とはいえ成功はぼ くの主観です。そもそもこういったWSに対して成功という指標が決まっていません、羽鳥 さんいかがでしょうか?

鎌倉中学校などの次に繋がる取り組みもありましたが、防災に関わるコミュニティ、サス ティナビリティという意味でどこまで有用だったのでしょうか?

WS参加者の中での議論についてです、なかなか測ることが難しい事ではございますが、逃 げ地図での意思決定プロセスおよび議論の仕方について、日々のお仕事、チーム内外での 議論展開と何か違いがあるか知見などありましたか?

あの頃僕のコミットの仕方として逃げ地図2.0というおもちゃプロジェクトを作っていま した。3Dベースで得られたデータの蓄積等、WSまちづくりxデジタルデザインという分野 ではそれなりにやってみました。しかし、どうしたって実際にやるものよりも納得感とい うか審議する目的には敵わなかったと思います。これは、僕および当時のコンピュテーショ ナルデザインがアルゴリズムそのものの実装開発にあまりに注視していて、本質であるに げ地図WSが持つメディア性に対しての考察が足らなかったという反省をしています。考え てみれば、昨今のAI、例えば深層学習は最適化のお化けみたいなもので、それ自体は大変 面白いのですが、今までコンピュータが貢献してきた部分の未だ大部分は人間の脳みそを 同士を導線でつなぐ技術です。その動線で結ばれた脳みそで計算するお題の一つに意思決定プロ セスというのがあると思うのですが、一般的な議論として脳みそが増えれば増えるほど性 能が上がっていくのかという問いがあります。何を持って計算の確度と定義するかも難し いのですが、こんだけ時間をかけて一人で考えた方がいいということも史上ないわけでは ない。

建築に少し話を移しましょう。作り上げるプロセスは一転してプロフェッショナル・ とかいわゆるステークホルダーとカテゴライズできる人たちと協働します。組織設計とい う意味一番のアドバンテージは大きい分バックにあるDBをリミックスできることかと思い ます。

例えば、標準詳細だったり、特記だったり色々あると思うんですけど、数年前に社内での ●●の手引き等をオープンにする。試みも陰ながら応援してます。一方で全然派手じゃない し、日建が大きいだけで、他の事務所もそう行ったものがあるかと思います。

これに関連した動きもいくつか見られるんですが、究極は建築設計をサンプリングミュー ジックのように、ブリコラージュメディアとして変質させようという壮大な野望があると 思います。音楽・出版・アニメ・映画とか悉くポストモダン化していきます。最後の砦と して、建築とか都市もあってナイーブな僕はそんなヒッピーな夢想をしているのですが無理ですよね?

例えば、羽鳥さんが携われた作品をリミックスされる事って考えられますか?昨日中川エ リカさんの横浜アパートメントの話を聞きました。素晴らしいし、もっと増えればいいと 思います。実際モデレートしていた西村さんもなんで増やさないの?ギットハブにあげちゃ えばいいじゃないとおっしゃっていて、ライゾマ斎藤さんは「エッセンスをコピペするの はいいのでは」とか「建築でそれするのは(残念ながら)まだ早い」と言ってたんですけ ど、それは建築業界としての立場であって、普通にクレジットするからパクっていいです かって聞けばいいんだと思います。普通にミースとジョンソンも両ガラスの家でも仲良くしながら、 ミースが先に始めたけどジョンソンが金持ってたから早く終わっちゃったんですけど両方 とも普通にいいし、建築ありがたいことにコンテキストってものがあるので、全然別物な んです。団地とかレビットタウンも紋切り型とか批判されましたけど、今ではいい味出し てる。

これ際どいのですが、横浜アパート、例えばコピペして少しだけ改変して隣に立ててもいいともう し、コンテキストに合うように二次制作してもいいと思うのです。でも、僕の残りすくな い建築の頭の部分が作家である中川さんへのリスペクトを考えちゃって、自分の思想・エ ゴの保存のためにやるというよりか、やっぱり自分以外の建築家は尊いから残しておきた いと思ったりする反面、仮にそれを実力行使で行なったとしても、オープンソースの思想 からは反しているわけです、だってGPLかCCライセンス張ってないんですもん。たとえば、 羽鳥さんのやつ部分的にパクって、他の作品とキメラみたいな状況で僕が発表して、所定 の方法でクレジットしてもそれでもきもって思いますか?日建設計の方に聞くのにすごく 意味があると思っています。