世界一の都市計画をめざして
密度が高くなりがちな都心部でみんなが使える小さな公園をつくり・整備・運営する条件で建物の高さ制限を緩和するという仕組みがある。ミースがシーグラムビルをニューヨークで1958年に設計して、ビルの前の空地が好評だったので、1961年にPlaza Bonus法として整備された。今日の日本でも公開空地という仕組みの下で計画できる。その後ニューヨークでは瞬く間に沢山のPlazaが計画され、不動産開発側の立場からすると、採算性があがるなら喜んで空地を作るという事だ。インセンティブによる不動産事業者の行動変容である。
このプラザボーナスを要素分解してみると、二つの要素が天秤に乗ってバランスしている。片方で都市の中で空地の提供という「公共に資する」ものと片方では不動産の事業採算性である。プラザボーナスでは空地と決まっているが、シーグラムビルとニューヨークの法整備以降インセンティブ・ゾーニングという名前の下でこの「公共に資する」ものが世界の各都市で多様化している。例えば、現状米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市でインセンティブゾーニングというと、「公共に資する」ものは廉価住宅(アフォーダブル・ハウジング)の供給だ。その敷地で廉価住宅の供給が出来ない・しない場合は、面積あたりに定まれているインパクト・フィーを市が不動産事業者に要求する。ボストン市ではこのインパクト・フィーを用途によって差をつける事で特定の用途開発を規制・促進する道具として使われている。例えば、ウー市長就任時にラボ用途(危険物取り扱いがある研究所機能)を前年比に比べて倍のインパクト・フィーを課すなど比較的アジャイルな計画が出来ている。アフォーダブル・ハウジングの他に